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日本とは何か 日本の歴史〈00〉
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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日本中世史に新たな地平を拓いてきた網野善彦が、編集委員として参加している全26巻の日本通史「日本の歴史」の第00巻として著した日本論である。 これまで自明なこととして扱われていた「日本」の起源と地理的範囲、日本列島に限定されていた縄文文化や弥生文化を、北方アジアや朝鮮半島との関係から見直し、基本的用語を問い直す必要があるというのである。また、主従関係、貨幣制度、差別意識などの地域的相違を明らかにすることで、「均質な日本人」という常識の盲点を指摘している。さらに、記紀神話の豊葦原瑞穂国から、班田収受や公地公民といった律令制度、中世の荘園、江戸時代の士農工商制度、明治の地租改正、戦後の農地改革に至る土地所有制度の変遷をたどることによって、日本は農民中心の農耕社会とする従来の日本社会史に疑問を投げかけている。 有史以来、日本列島は北方アジア、朝鮮半島、琉球列島、中国大陸とダイナミックな交流があり、列島内部でも活発な地域間交流があったことが、現在の「日本」を形づくっているとする。 網野史観の全体像を1冊にまとめた格好の入門書といえる。(堤 昌司)
国号・日本を多様に
このシリーズは、寺沢薫氏の「王権誕生」など、実に最新研究をうまくとりまとめている印象があるが、トップにもってきたのがアミノ氏というところがまず拍手であった。
古くて根深い律令体制という名の輸入加工ブツをアミノ節が語るとどうなるか……。結果はトータルな読みもの風歴史研究書になり、いちいち腑に落ちた。異端と正統の間をゆれるような位置づけをなされてきた(はずの)網野「史学」が、このあと、さらに保守的な「古代史」にまで切り込んでほしいという願望もふくらむほどだ。
国際―民際的な著者のアプローチが見事に決まった一冊である。若い人、特に過剰に嫌韓・嫌中国をするような人たちにこそ、読んでもらいたい。
歴史の深淵に引きずり込む網野史学の魅力
網野氏の書かれる日本史はなんて多彩でカラフルなのでしょうか?
行間から東アジアの東端の列島で綿々と生き続けてきた多様な庶民たちの暮らしぶりが浮かび上がってきます。
正直言って、今さら日本史なんてもう研究尽くされていて、残されているのは重箱の隅をつつく程度と思っていましたが、どうしてどうして、この網野氏の史学を読むと、まだまだ未知の可能性がいくらでもありそうです。自分の歴史に対する無知を恥じた次第です。
この本を全部読み通すのはしんどいと言う方は、せめて巻頭のカラー口絵だけでも見ましょう。
眼からウロコが落ちます。
さまざまな固定観念がひっくり返ります。
網野氏は、歴史学研究者の中でも少々異端的な存在であったようです。この本でもほかの歴史学者がこれまで自明のこととしてきたこと、たとえば日本はかつて国民の大多数を占める農民によって支えられた「瑞穂の国」であったということなどに真っ向から反対の姿勢をとり、読者に日本という国の歴史の新たな一面を見せてくれます。しかし、この本では、網野氏の論の具体的な物証などは非常に多く取り上げられているものの、網野氏は一つ一つの自論にそこまで丁寧な歴史学的解釈はつけていません。この本を読んだ後、自ら興味を持った分野について研究を深めてみる、というのが一番よい読み方ではないでしょうか。
未来にむけた篤い志
七世紀末に定められた国号である日本という国家観に縛られることなく、アジア大陸の東辺の掛け橋としての日本列島社会の実像が、地理的・歴史的・社会的に解説されています。
日本社会の今後のあり方だけではなく世界における国家のあり方にまで関心が及ぶなど大変な「志」がこめられおり、いちサラリーマンの小生といえども著者の想いを真摯に受け止めなければならないと思わされる著作でした。
内容的には著者の他著作と重複していますが、最後の数ページだけでも読んでよかったと思わせる著者の使命感が漂う気合の入った一冊でした。
「国家の品格」を読む前に
最近、跋扈している武士道復古の言説に対するカウン
ターパンチとしてはもっとも聞くのが網野氏の歴史書
といえる。
なぜなら、網野氏の書籍が従来の歴史にない視点で書か
れているからである。従来の視点とは「農民」、もし
くは「官僚」が中心の歴史である。武士道を賛美し、
資本主義を毛嫌いする輩は、日本が海を通じた商業国
であることを忘れているのではないのだろうか。また、
商業があるからこそ、社会が成り立っているという
前提がないのかもしれない。
学校教科書に縛られた頭を変えるには役に立つし、シリ
ーズのうち、この本だけでも読む価値はある。
講談社
縄文の生活誌 (日本の歴史) 大王から天皇へ (日本の歴史) 王権誕生 (日本の歴史) 日本の歴史〈第04巻〉平城京と木簡の世紀 律令国家の転換と「日本」 (日本の歴史)
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