日本が「神の国」だった時代―国民学校の教科書をよむ (岩波新書)



日本が「神の国」だった時代―国民学校の教科書をよむ (岩波新書)
日本が「神の国」だった時代―国民学校の教科書をよむ (岩波新書)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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難しい問題ですね

国家権力がやろうとすればこれくらいのこと(このような教育)はどこの国でも出来ると思っております。他の方も書かれていますが、この偏向教育自体はそれほど珍しいとも思っておりません。やはり個人的にずっと昔からひっかかっていたのは「何故神の子」路線を突っ走ったのかということが疑問で残っております。精神力のみ、献身のみ・・・・戦争に勝とうという動機が引き金となってこのような教育がなされたと思うのですが、「潔く国家のために死になさい」という教育は全く勝つ教育になっていなかったということです。初めから負けるつもりであったのではと・・・・。どの視点で評価するかによって様々な点数がつくと思います。この著者の視点も理解できますが、ワンパターンかなと思ってしまいます。過ちを繰り返さない・・・分かりますけど。ただ諸外国の外交の歴史を考えると日本という国はすごく単純な国家であることは間違いないですね。本当に戦争を起こさないで平和を維持するためには「神の国」でなく「泥臭い、奥の深い、なかなか底が読めない"人"の国」にしなければと思います。
なんとかしなければ

敗戦後、墨で黒く塗り潰された教科書は今も生きている。自民党の中枢にいる人達の脳みそは今も、当時の教科書に漬かったままらしい。洗脳を解くのが大変なのは統一教会でも、オウムでも、創価学会でも、北朝鮮でも、天皇教国でも変わらない。洗脳を解くために死に物狂いにならないといけないのは誰なのか。己を支配者に投げ出し、誉めてもらって初めて存在意義を感じる人間を作るための教科書がまた、作られるようになっている。なんとかしなければ。
期待したほどではなかった

 意外に面白くなかった。軍国主義時代にはそれを支えるイデオロギー的な教育がなされるのはアタリマエであり、その予想を超える新しい資料の提示等はみられなかった。また、現代の教科書とのつながりについても書いて欲しいところであろう。
 もちろん、著者の危機意識は評価したいが、現在の愛国教育に対する強力な批判にはなっていないように感じた。
 国民学校と現在

 タイトルにある神の国ときくと思い出すのはやはり、森なんちゃらというカシコイ元首相。この本の導入もそんなところから。
小渕首相による国旗国家法、そして森君発言、そのあと新しい歴史教科書をつくる会による歴史教科書の検定合格。これらが1999年から2001年にかけての出来事です。世紀の変わり目に一気にある勢力が世間に力をかけたということがわかります。それに世の中の人はまんまと乗って現状追認してきているのが現在といえるでしょう。
 戦後60年を迎えて今一度、というより初めてそれらの意味を探ってみることが必要でしょう。

 本書は国民学校の教科書、いわゆる初等教育の教科書の記述を追って解説しています。1941から1947年までという短い時間にだけあった制度の中で記述されたもの。この検証は興味深い。戦後の反省事項というのはまさにこの時期を中心に存在するわけであるから、この部分の検証により、現在のわたしたちの思考はクリアーになることとおもわれる。
 本書の中には教科書のテキスト部分だけではなく、挿絵や教科書の像が取り込まれているので、当時の子どもたちが使っっていたであろうことが実感しやすくなっている。
 
 著者が述べる次の記述が心に残った。
「超国家主義思想を刷り込まれた子どもたちの不運は、一体感のなかに、横並びの価値観のなかに自己を埋没させる快感 − 判断停止のラクさを知ってしまったことである。そしてもう一つの不幸は・・・−」
 
 あとは本書を読んでもらいたい。当時の教科書をみて浮かび上がる問題は現在のものであることがよくわかることともう。



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