日本における近代国家の成立 (岩波文庫)



日本における近代国家の成立 (岩波文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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本書を有難がる理由がよくわからない

2002年に出版された加藤周一編「ハーバート・ノーマン人と業績」によると、終戦直後にGHQの一員として来日してGHQの占領政策に深く関与し、戦後思想界に多大の影響と与えたカナダ人、E.H.ノーマンの評価は一部で未だに高いようである。そこでE.H.ノーマンの主著「日本における近代国家の成立」を読んでみた。

本書は、江戸時代の終わりから明治維新を経て日露戦争の頃に至る間の「近代国家の成立」についての西洋人による最初の本格的な学術書ということである。
読み進んでいくうちに、どこか特定の史観に基づく明治維新の見方という印象が強くなってきた。すなわち、江戸時代、特に幕末期は封建制度衰退の暗黒時代であり、明治維新はフランス革命と異なり庶民を置き去りにした上からの不十分な革命であった。また自由民権運動などもあったが、民主主義は定着しなかった。明治維新後の産業化は軍事中心であり、農民はその犠牲となった。資本主義、産業の発展は必然的に軍国主義的な拡大主義を導く、云々。江戸時代や明治維新を肯定的に評価しようという姿勢は全く感じられない。
客観的にみると、本書は恐らく当時であっても、西洋人が書いたということ意外、新規性に乏しく有難がる理由は少ないのではないかと思う。

巻末に再録された「ノーマン史学の評価の問題」で遠山茂樹氏が、『「講座派」の参照が意外に少ないのは、何らかの意図的な理由があったとしか思えない』と指摘しておられるが、これは本書が単なる学術書でないことを暗示しているようである。

古典

 日本近代の古典です。データ的にさすがに相当古くなっていますがまだ読む価値はあると思います。
 日本が如何に近代社会となったかを江戸時代の文献や藩の生産量などを基に考察しています。
 特に第6章の9、『日本政府部内における「軍」対「官」の問題』は現在でも政府対官の問題として読めると思います。
 かなり実証的でデータ量も多いのが特徴の書物です。



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